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Posted by みやchan運営事務局 at

2008年09月11日

だれもが住みやすい国づくり講演会

「生命の誕生を祝福する」をテーマに講演会が開かれました。



9月6日(土)に宮崎県総合保健センター(宮崎市霧島町)で
みやざき地域療育ネットワーク研究会と宮崎県歯科医師会との合同企画で 

「だれもがすみやすい国づくり」VOL3~生命の誕生を祝福する~」
と題して講演会がありました。
とても感銘を受けました。ぜひ紹介したくて講演の一部について報告いたします。




講演Ⅰ 北九州市立総合療育センター 武田康男先生 
演題 「いのちの支援~人生のはじめとおわりに関わること~」

武田先生は、北九州市立総合療育センターで障害児療育一筋、歯科医師一筋で働いています。
「歯科医療は人の死と誕生・・すなわち人間存在の根本に関わる新しい医療である。」
北九州市で武田先生は、いのちの始まりの支援を実現し、
子どもを亡くした親と家族を支える「星の会」をつくり子どもと家族のいのちの支援をしています。
講演の感動は伝えられないかもしれませんが、お話の一部をかいつまんで紹介します。


武田康男先生


(くるみさんのこと)
北九州市では、産科と武田先生たち(北九州市立総合療育センター)と協議する体制ができている。
出産前の34週。口唇裂を超音波検索。心臓病もあることがわかった。
武田さんと言語聴覚士のスタッフは口唇裂のみの事実を伝え、そして誕生を
祝福し、医療で支えることをご両親に伝えた。
その後、出産前に周産期センターで心臓病を告知された。
出産後武田先生が、くるみちゃんの口に指を当てると吸うことがわかり、
直接お母さんからおっぱいをもらう。
診断では、生命予後10日。
両親は武田先生にこの子に何ができるか聞いた。
そして両親は、くるみちゃんの前で両親の結婚前の話、とっておきの思い出を語った。
生後3ヶ月に死亡。「親の関わりを教えてくれて感謝します」と母親からのメールがあった。

(双子のうちの第一子)
生後9ヶ月でNICU療育的ケア、お口のマッサージを行う。
第二子は順調に育つ。
1歳で病院のNICUで両親とスタッフで誕生祝い。
絵本を読み、クラッカーをシャンメリー(アルコールのないシャンパン)で溶かして食べさせた。
口が動かせることがわかり、母親が初めて「あなたにもおっぱいを」とあげた。
親子の関わりができた。

(一成君)
ウイルス感染で出生後1週間で死亡した一成君。
両親は様子がおかしいと産科医に伝えたが、大丈夫といわれていた。
子どもを失い、子どもを守れなかった。未来が消えた。家族の関係がなくなったと両親は悲観。
家族カウンセリングを行い、誕生の祝福などについて伝えた。
3ヵ月後に母親からメールが来た。親業を続けていくとの内容。
産科先生との和解(「すいませんでした」と言ってくれた。)したとのことだった。



弾き語り 宮下江里香さん
障害をもつ二児の母。自作の歌で、子育て支援を行う。
自閉症の長女を歌った「わが子へ」と、
688gの超低出生体重児で生まれた長男を思い歌った「願い」を中心に、
同じ困難を感じた子育て中の親を支援したい思いから、活動を始める。
「願い」は、エンジェルスマイル(小さく生まれた子どもを持つ家族の会)のテーマソング。


宮下江里香さん

講演Ⅱ 慶応大学小児科医師 渡辺久子先生  
演題「赤ちゃんに乾杯」

渡辺先生は、小児精神科医学、精神分析学、乳幼児精神医学の専門医。
平成20年8月1~5日に横浜パシフィコでアジア初の世界乳幼児精神保健学会第11回世界大会を開催し、
日本組織委員会の会長を務めました。


渡辺久子先生

(コルビン先生のすばらしい学説)
人間は生まれながらに相手を見て判断する能力がある。
精神医学は統計ばかりで人を見ていない。
どんな子どもも人間を理解し、相手を見抜く力を持っているという学説を紹介。

(みどりさん)
拒食症のみどりさん。何を訴えているのかわからず、かみつかれたり唾を吐かれたりしたこともあった。
10年待つ心が必要と感じた。人生はどうしようもないことがあると思って生きることも必要と思う。
彼女は自分を偽らない、正直に生きることが大事と教えてくれた。彼女はすばらしい絵を書く。
そして彼女の結婚式によばれたことがとても嬉しかった。

(必死に生きる人たちから学ぶこと)
柴田昌平監督。若いけど死に物狂いで作っている姿に共感。作品が「ひめゆりの塔」。
ひめゆり体験。3週間立ったまま寝た体験を語る。戦闘場面でなく苦しいところを生きた人々の今を写す。
戦中戦後、庶民の戦後史が伝えられていない。現代こそ語る必要があると思う。
産後うつ病の人(まじめな人がうつ病に)など、
その人たちから学ぶ必要がある。
これは大きな真理である。
ゆるぎない苦しみの経験が人を成長させると思う。
そんな人たちから学ぶシステムを作る必要があると思う。
先天性皮膚がんで亡くなった大介君は私の恩師。
必死に生きる姿を見て「生命ってすごい」ことを学んだ。

(筆者の感想)
私の報告では、講演の感動の一部も紹介できないことはわかっていますが、
宮崎でこんなすばらしい講演会があったことをぜひ聞いていただきたかったのです。
当日の参加者は、それぞれの思いで講演を聞かれたことと思います。

私は講演を聞いて「自分は何のために生まれてきたのだろう」と考えました。
そして人生、いのちのことを考えました。
子ども、妻、親など家族のために生きることは、社会に生きるすべての人たちのためにもなること。
人間は一人では生きられないといいますが、また、逆に決して自分は一人ではないと思います。
講演者の人たちの足元にも及びませんが、人のために生きることが自分の使命であると考えさせてもらった感動的な講演会でした。
  


Posted by バリフリ事務局 at 23:19Comments(1)ワークショップや講演