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2007年12月11日

第1回観光バリアフリー連続講座(過去経過報告)

第1回観光バリアフリー連続講座
2006年11月19日(日)に「第1回観光バリアフリー連続講座」を開催しました。
午前中に宮崎市の中心市街地を点検調査する「モニターツアー」を、午後には宮崎市民プラザにおいて「基調講演」と「モニターツアーを踏まえた意見交換会」を行いました。
→ 当時の案内
→ 宮崎日日新聞で取り上げられました

■モニターツアー
モニターツアーは、高齢者、障害者、介助者、記録者のモニターが、車いす、聴覚障害者、視覚障害者、高齢者の4つグループに分かれて、買い物や食事をしながら調査をしました。
それぞれのグループで出た意見は以下のようです。

第1回観光バリアフリー連続講座(過去経過報告)

①車いすグループ
「多くの店舗入口に1段の段差がある。そのうち約7割の店に、簡易スロープが設置されていた。また頼めば車いすを押すなど店員の対応はどこも良かった。」「車いすトイレがない。」「2、3階建ての店のほとんどにエレベーターがなく、上の店には行けない。」「建物入口に、『スロープ有』『盲導犬OK』という標示がされている店は入りやすい。」「商店街全体に、駐車場やトイレについての情報提供がない。」

第1回観光バリアフリー連続講座(過去経過報告)

②高齢者グループ
「デパートの入口は自動ドアにしてほしい。」「デパートの各階に同じようにあると思ったトイレがなく困る。」「車いすトイレなどの標示が小さくわかりにくい。」「車いす駐車場の位置がわかりにくい。」「商店街の店は、入口に段差があると危なく感じる。」


③聴覚障害者グループ
「聴覚障害者とわかったら、動揺して手話ができないと避けられた。」「手話ができないと言うことでメモ用紙をくれた店があったが、これでいい。」「聴覚障害者には、大きく口を開けて話してほしい。」「横断歩道に青の待ち時間を示す電光表示板があったが、このようにいろいろな情報が電光掲示されるといい。」

第1回観光バリアフリー連続講座(過去経過報告)

④視覚障害者グループ
「点字ブロックの上に看板や商品等が置かれており危険。」「歩道の点字ブロックが、木の植え込みを迂回するように敷かれているが、歩く方向がわからなくなる。」「点字ブロックがないと、真直ぐ歩くのは不可能。正しく誘導してほしい。」「デパート入口に点字ブロックがなくわからない。」


このモニターツアーを行なった結果、2階の店に行けないことは今後の課題として、
商店街の多くの店に簡易スロープが設置されており、
頼めば車いすを押すなど店員の対応はどこも良かったとのうれしい結果でした。
豪華でなくても利用者と事業者のコミュニケーションをとることがバリアフリーにつながると思われました。


また、そのコミュニケーションの方法として
「建物入口に、『スロープ有』『盲導犬OK』の標示がされている店は入りやすい。」という意見から、
バリアフリーの状況を標示により情報提供することで
高齢者や障害者とお店の人たちとのコミュニケーションが取りやすいことがわかりました。

第1回観光バリアフリー連続講座(過去経過報告)


■基調講演
 基調講演は、車いす使用者である木島英登氏
(木島英登バリアフリー研究所代表、大阪府http://www.kijikiji.com/consultant
が、「世界70ヶ国を訪問!車いすの旅人が見た世界の観光地・日本の観光地」と題して行いました。

第1回観光バリアフリー連続講座(過去経過報告)

 講演では、「アメリカでは、野球場において、300程の車いす席はすべて車いすが来たときに固定イスを取り外す方式であり、すべてのエリアで車いす以外の友人と並んで見ることが出来たことや、障害者として出来るか、出来ないかではなく、やりたいか、やりたくないか、という選択肢で日本との違いに驚いた。」ことなど、人として当然のつきあいができる海外のバリアフリーの事例を多く述べられました。


また日本のバリアフリーについて、「①豪華で過剰である。②利用者に責任を取らせてくれない。(提供者側の都合)③一方通行である。」と不自由さがあることを述べ、「バリアフリーは選択肢の一つであり、Diversity(多様性の受容)をすすめて、少しでも多くの人が不自由なく、一人の人間としてやりたいことに挑戦できる社会となってほしい。」と締めくくられました。


講演者の木島秀登氏の話から、日本のバリアフリーは利用者の意見を聞かず、過剰な思い込みで豪華につくられているが、利用しにくい。バリアフリーはお金をかけただけでは満足しないという話が印象的でした。



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Posted by バリフリ事務局 at 16:45│Comments(0)ワークショップや講演
 
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